超精密加工技術コラム | 超精密加工・研削加工ソリューション | 高広工業

Technical Column

超精密加工 技術コラム

精密ベアリングとは?精度等級・特徴・用途を解説

ベアリングは、回転する軸を支え、低い摩擦で回転させる機械部品です。その中でも精密ベアリングは、回転時の振れや内輪・外輪の形状誤差を小さく抑え、高速かつ安定した回転を実現するために用いられます。

半導体製造装置や工作機械、医療機器では、わずかな振れが装置全体の位置決め精度や加工精度に影響します。本記事では、精密ベアリングの精度等級、性能、用途、精度を支える製造技術を解説します。

精密ベアリングとは

一般的なベアリングにも寸法や回転精度の規格がありますが、精密ベアリングには、より小さな振れや高い形状精度が求められます。内径・外径・幅だけでなく、ラジアル振れ、アキシアル振れ、真円度、同軸度などを細かく管理する必要があります。

ベアリングの精度等級とは

ベアリングの精度は、「寸法精度」と「回転精度」に分けられます。寸法精度は内径、外径、幅などの許容差、回転精度は内輪・外輪を回したときのラジアル振れやアキシアル振れなどを示します。

精度等級は、JISやISOなどの規格によって定められています。

一般的な表記JISでの呼び方位置付け
P00級普通精度
P66級0級より高精度
P55級精密級
P44級高精度・高速回転用途
P22級特に厳しい精度

精度はP0、P6、P5、P4、P2の順に高くなります。一般的な機械では0級で要求を満たす場合が多く、工作機械の主軸など、高い回転精度が必要な用途では5級、4級、2級が選ばれます。

なお、真円度や同軸度が1項目だけ優れていても、それだけで「P2級相当」とは判断できません。精度等級は、軸受の種類や寸法ごとに定められた複数の寸法差・振れ精度から評価されます。

精密ベアリングに求められる性能

振れを抑える回転精度

ラジアル振れは軸に対して直角方向、アキシアル振れは軸方向の変動です。振れが大きいと、振動や異音が発生し、位置決め精度や加工面の品質が低下します。精密ベアリングでは、内輪・外輪と軌道面を高精度に仕上げ、回転時のブレを抑えます。

高速回転への対応

高速回転では、摩擦による発熱や潤滑状態、転動体に加わる遠心力が問題になります。回転数だけでなく、ベアリングの大きさ、内部すきま、予圧、潤滑方法まで含めた設計が必要です。

高剛性と長寿命

剛性は、荷重や曲げモーメントを受けたときの変形しにくさを表します。精度等級が高ければ必ず高剛性・長寿命になるわけではありません。形状、材料、荷重、回転速度、潤滑、取付精度なども性能に影響します。

超精密ベアリングが使用される業界・用途

半導体製造装置・検査装置

ウェハ搬送装置や検査装置、精密位置決め機構では、わずかな振動や回転誤差が検査結果に影響します。用途によっては、真空対応、低発塵、耐食性なども必要です。

医療機器・歯科用装置

歯科用ハンドピースやエアタービンは、毎分数十万回転という高速で使用されます。回転時のブレは振動や異音、治療精度に影響するため、高い真円度と回転精度が求められます。

工作機械・精密割出装置

工作機械の主軸、精密回転テーブルでは、高い回転精度と剛性が必要です。ローラーギアで使用するカムフォロアにも、繰り返し荷重や曲げモーメントを受けても精度を保つ構造が求められます。

精密ベアリングの精度を支える製造技術

ベアリングの回転精度を高めるには、転動体だけでなく、内輪・シャフトと外輪の精度を作り込む必要があります。シャフトの外径や軌道面は円筒研削、外輪の内径や軌道面は内面研削によって仕上げます。

シャフトの真円度が低ければ回転時のブレにつながり、外輪の内径と外径の中心がずれていれば再現性が悪化します。部品を個別に高精度で仕上げ、組み合わせた状態の回転まで考えることが重要です。

加工後は、外径・内径寸法だけでなく、真円度、同軸度、振れ、面粗さなどを部品単位で検査します。加工と測定を繰り返し、狙った精度へ仕上げていきます。

精密ベアリング製作における当社の強み

精密加工・研削加工ソリューションを運営する高広工業では、ローラーギア式精密割出装置に使用するカムフォロアについて、シャフトと外輪を社内で製造しています。シャフトを円筒研削、外輪を内面研削で仕上げることで、主要部品の精度を一体的に管理できます。

当社の精密研削では、サイズや形状によって異なりますが、真円度1μm、同軸度1μmの加工に対応しています。カムフォロアシャフトのニードル転動面についても、真円度1μmの加工実績があります。

ローラーギアとして組み立てる場合は、部品検査に加え、出荷前にエイジング運転を行って回転状態を確認しております。超精密ベアリングにつきましては、ぜひ超精密加工・研削加工ソリューションを運営する高広工業にご相談ください。

精密ベアリングに関するよくある質問

Q. 何級から精密ベアリングと呼ばれますか?

一般的には、5級・4級・2級が精密ベアリングとして扱われます。ただし、「超精密」に統一された規格はないため、精度等級だけでなく、実際の振れや使用条件も確認します。

Q. 真円度とラジアル振れの違いは何ですか?

真円度は、円形断面が理想的な円からどの程度ずれているかを示す幾何公差です。ラジアル振れは、ベアリングを回転させたときの半径方向の変動量です。ラジアル振れには、真円度だけでなく、同軸度や取付状態も影響します。

Q. 高精度なベアリングほど長寿命になりますか?

必ずしも長寿命になるとは限りません。寿命は、荷重、回転速度、潤滑、材料、内部すきま、予圧、取付精度などによって決まります。

Q. ベアリングを構成する部品をすべて内製していますか?

高広工業のカムフォロアでは、シャフトと外輪を社内で加工し、ニードルは購入品を使用しています。主要部品を内製することで、加工から部品検査まで一貫して精度を管理しています。

まとめ|精密ベアリングは部品単位の精度から決まる

精密ベアリングの性能は、精度等級だけでは決まりません。内輪・シャフトと外輪の真円度、同軸度、回転時の振れに加え、剛性、潤滑、取付精度などを総合的に考える必要があります。

高広工業では、円筒研削と内面研削を組み合わせ、主要部品の加工から検査まで一貫して対応しています。高い回転精度や剛性が求められるカムフォロア、ベアリング部品については、ぜひお気軽にご相談ください。

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